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春から夏へ 上総郷

戦国の小さき城跡初さくら




 上総の野山を彩るのはまず菜の花である。それに先駆けて、外房線線路沿いの河津桜が目を惹く。 我が家から10キロ圏内のちょいと良い眺めを紹介したい。
 上の写真は何も残っていない一宮城址。復元の大手門の森の先は急峻な崖となり、駅と遙かに海を 見下ろしている。
 菜の花と蓮田は隣町の睦沢町で、菜の花畑と紫陽花は秋元牧場を吟行したときの物。薔薇と花菖蒲、 紫陽花の群生は元ゴルフ場のひめはるの里を吟行したものである。
菜の花や分家小さく川の辺に
16年伊吹嶺誌7月号遠峰集収載
震災忌経巡る五年辛夷咲く
16年伊吹嶺誌6月号遠峰集収載
初燕九十九里浜渡り来し
16年伊吹嶺誌7月号遠峰集収載
 秋元牧場は乳牛の他、羊や夏の競走馬の避暑地でもあるようだ。ちょうどその時期を逃したが 八重桜の並木がこの菜畑の横の道に長い。自動車は通れないが、無料で開放されている。
 ひめはるの里は元ゴルフ場でその後はレイクウッズガーデンとしてドッグランやバラ園などを やっているようだが少しポイントに欠けるようだ。薔薇も花菖蒲も紫陽花も綺麗だが、散漫は免れ ない。
黒湿る牧の馬柵や花の冷
16年伊吹嶺誌7月号遠峰集収載
牛の声菜花明りに暮れなづむ
16年伊吹嶺誌7月号遠峰集収載
牛鳴いて上総の山の夕かすみ
 駅の近くの我が家近辺は大半が米農家であり、トマトやメロンなどの温室農家も多いようである。 内陸部に向かうと米の他に梨農家が増える。その奥に行くとまた米農家が中心であるが、野菜や蓮を 植えてある農家などが出てくる。そして、昔は私も大いにお世話になったが、ゴルフ銀座である。 電柱はゴルフの看板ばかりが目に付く。この競争に負けたのがレイクウッズなのだろう。
紅薔薇やニンフの象に深き翳

梅雨晴間ゴルフコースの跡の丘

ゴルフ場跡の紫陽花青ばかり
 公園の池やお寺の蓮の花は何度か吟行にも行って見たことはあるが、蓮根を掘るための 畑は初めて見た。
 観賞用の花と違ってたいしたことは無いだろうと思っていたが、全く同じ紅の綺麗な 大きな花であった。山間の村に広々と広がっており、暫く蓮の風に身を任せていた。
 上総は米所でもある。どれが一番美味しいのかは判らぬが千葉県のブランド米は多い。 私も多古米や長狭米を地元志向で食べている。早場米の産地である。
朝風や光零して花はちす

蓮ひらく風に葉裏の靡くとき

早稲の花青空深き上総郷



吟行日 2016年3月15日
         3月28日
         6月 5日
         7月24日
この項了


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